研究内容RESEARCHES
Smart Vision & Robotic Sensing
高速ビジョン・ロボットセンシング
- >> 研究テーマ
- 1秒間に1000コマ以上の実時間画像処理を実現する高速ビジョン技術を始めとして、人間の感覚能力を遥かに上回る実時間センシング技術の確立を目指した情報システム/デバイスの研究開発を行うとともに、高速化・集積化を念頭においたアルゴリズムの研究、さらには人間には感じとることが難しい振動ダイナミクス等の情報を積極的利用した新たなセンシング技術の実現を目指します。
高速ビジョンスコープを用いた実時間声帯振動解析
本研究では、数百Hzレベルの声帯振動について、高速ビジョンを用いて時空間振動分布とし
て計測することにより、腫瘍等により生じる声帯異常振動をリアルタイム定量化可能とする喉頭高速ビジョンスコープを開発した。
本研究で開発した喉頭高速ビジョンスコープの最終的な目標は、人間の目や耳で直接観察が難しい声帯異常振動を含む喉頭部位の新たな診断装置として実現することにある。
開発した喉頭高速ビジョンスコープは、硬性声帯鏡、照明源、高速カメラヘッド、専用FPGA 画像処理ボード、パソコンから構成される。 512×256画素の8 ビット濃淡画像を4000fpsで撮影可能であり、これらの画像データは専用FPGA 画像処理ボードを介し、パソコン上の汎用メモリに高速転送される。パソコン上には、声帯の振動分布を自動抽出する画像処理アルゴリズムが実装され、処理結果は入力画像とともに実時間モニタ表示されるとともに、定量化されたデータとして記録される。 喉頭高速ビジョンスコープでは、画像から声門領域を抽出した上で、その左右端位置の速度分布を声帯振動分布として計測し、声帯振動における左右非対称性を定量化する。 声門の左右端の振動速度に基いた左右振幅比及び位相比を、声帯疾患における声帯振動の左右非対称性を検出する定量化指標とした。
5人の被験者に対して臨床現場における声帯振動解析を行った(512×512画素@2000fpsと設定した)。 被験者A,B,Cは20代の健常男性、Dは声帯ポリープを持つ50代女性、Eは声帯結節除去手術後の30代男性である。 被験者A,B,Cでは、左右振幅比が0付近、位相比が-1付近となり、声帯振動がほぼ左右対称であることがわかる。 被験者Dは、声門右側にポリープがあるため、声帯振動の左右非対称性が顕著に観察できる。 被験者Eの声帯振動は、ほぼ左右対称であるが、位相比は健常者よりも多少-1から離れていることがわかる。
開発した喉頭高速ビジョンスコープは、硬性声帯鏡、照明源、高速カメラヘッド、専用FPGA 画像処理ボード、パソコンから構成される。 512×256画素の8 ビット濃淡画像を4000fpsで撮影可能であり、これらの画像データは専用FPGA 画像処理ボードを介し、パソコン上の汎用メモリに高速転送される。パソコン上には、声帯の振動分布を自動抽出する画像処理アルゴリズムが実装され、処理結果は入力画像とともに実時間モニタ表示されるとともに、定量化されたデータとして記録される。 喉頭高速ビジョンスコープでは、画像から声門領域を抽出した上で、その左右端位置の速度分布を声帯振動分布として計測し、声帯振動における左右非対称性を定量化する。 声門の左右端の振動速度に基いた左右振幅比及び位相比を、声帯疾患における声帯振動の左右非対称性を検出する定量化指標とした。
5人の被験者に対して臨床現場における声帯振動解析を行った(512×512画素@2000fpsと設定した)。 被験者A,B,Cは20代の健常男性、Dは声帯ポリープを持つ50代女性、Eは声帯結節除去手術後の30代男性である。 被験者A,B,Cでは、左右振幅比が0付近、位相比が-1付近となり、声帯振動がほぼ左右対称であることがわかる。 被験者Dは、声門右側にポリープがあるため、声帯振動の左右非対称性が顕著に観察できる。 被験者Eの声帯振動は、ほぼ左右対称であるが、位相比は健常者よりも多少-1から離れていることがわかる。
WMV動画(0.3M) 声帯振動の様子(5人の被験者分) |