研究内容RESEARCHES
Smart Vision & Robotic Sensing
高速ビジョン・ロボットセンシング
- >> 研究テーマ
- 1秒間に1000コマ以上の実時間画像処理を実現する高速ビジョン技術を始めとして、人間の感覚能力を遥かに上回る実時間センシング技術の確立を目指した情報システム/デバイスの研究開発を行うとともに、高速化・集積化を念頭においたアルゴリズムの研究、さらには人間には感じとることが難しい振動ダイナミクス等の情報を積極的利用した新たなセンシング技術の実現を目指します。
振動対象の実時間ターゲットトラッキング
本研究では、高フレームレート画像を前提とした振動ダイナミクスに着目した対象追跡法として、 画素レベルディジタルフィルタとカラー特徴に基づくマスキング処理を組み合わせた振動ベースド画像処理アルゴリズムによる振動対象の追跡を実現した. 提案するアルゴリズムの概念を右図に示す。
画像中に振動対象があるとき、対象の振動領域に対応した画素位置の輝度は変化し、振動周波数に対応した周期変動が画像特徴量として観測される。したがって、画像中の全ての画素についてある特定の周波数帯域の信号を通過させる画素レベルディジタルフィルタを実装することにより、輝度の時空間変化を振動ベースド画像特徴量として検出することが可能となる。 ただし、ディジタルフィルタのみによる振動ベースド画像特徴量は、前のフレームの画像データの蓄積を行うことによる遅延効果が生じるため、実時間ターゲットトラッキングには必ずしも適してはいない。 そこで、本研究では補正処理として、HSV空間の色相を用いたマスキング処理を追加することによりディジタルフィルタ遅延の影響を抑制する。
振動対象追跡システムは、高速ビジョンプラットフォームIDP Expressおよび、2自由度アクティブビジョンから構成される。 本研究では、入力画像として4画素おきにダウンサンプリングした128×128画素画像に対し振動ベースド画像処理アルゴリズムを実装し、フレームレートは1000fpsと設定した。 またアクティブビジョンでは、カメラ視野中心に対象の重心を一致させるようにフィードバックレート1000Hzで比例制御を行った。
アルゴリズムの有効性を検証するために、振動対象として青色の羽を持つ扇風機(回転の中心位置に赤いマーカを設置)を用い,カメラ視野中心に振動対象を機械的に制御したターゲットトラッキング実験の動画を以下に示す。
扇風機追跡実験 WMV動画(1.7M) 再生 |